やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2018年06月

 手洗いの際には両手を擦り合わせることで、どちらもきれいになります。ですから手を怪我した人が一番困るのは利き手ではない方で箸を使うことよりも手洗いに難儀するそうです。

「片方の手が、もう片方の手を洗ってくれる」
南アフリカに伝わる言葉です。
 また、人は人で磨かれるとも言われます。人は人との関係性の中でこそ人間として生きる事ができる、とも。

 自閉症の方は社会性の障害があり、雰囲気、表情、声のトーンなどから状況を判断し、適切な行動を選択することが得意じゃありません。
 でも、それが人との関係性を嫌っていることにはなりません。良好な人間関係を築くこと、自分の存在が誰かの役に立ち、喜ばれていることを知ることは嬉しいことですし、人としての社会性の欲求は私たちと変わらないのだと思います。
 そして、それを理解しにくいからこそ、いわゆる空気を読む努力を重ねて生きて来られているのではないかと思います。

 人との関係性が希薄になり、子どもが親に宿題の解き方を聞かず、スマートメディアに答えを聞くということも増えているそうです。
 かくいう私もスマホを見つめる時間はかなり増えています。先日、書かせていただいたコミュニケーションが取りやすい環境づくりと共にコミュニケーションを重要視する文化が大事なのではないかと思います。
 そういった意味では、やり取りに日々奮闘する自閉症の方は現代のパイオニアなのかもしれません。N

 今日は第1,第2両やまびこ工房のスタッフが一同に会して、一日、職員会議の日でした。
 その中での意見交換で出た話です。

 ヒヤリハットの報告を積極的に行なうことで事故を未然に防いでいこう、との話題の時に事故が起きる背景にはどういった要素があるか、との話が出ました。その中で情報伝達、共有が確実にされることで事故に発展することを防げるのではないか、と。
 そのためにもヒヤリハットの活用を積極的に進めていくことを確認しました。

 そして、更に突っ込んだ議論となり、情報の共有がしやすい環境をつくる努力も必要ではないか、との意見があり、スタッフ同士の日常的な声かけ、配慮等、常勤職員が中心となって互いに感謝を伝える雰囲気を作ることも有効ではないか、同時に仕事が詰まっていて忙しい時、今は相談しない方がいいな、と思わせてしまっている場面もあるのではないか、との意見がありました。

 この仕事の魅力の1つとして、一人の一を深く見つめ、コミュニケーションが取りにくい人の意図を汲み取るための工夫を重ね、関係性を築いていくことがあり、それは利用者さんだけでなく、スタッフ同士や友人とのコミュニケーションにも生かされていくという確認もし合うことができました。有意義な会議日になったかと思います。

 活発に意見交換をしながら、より良い職場環境=利用者さんが更に過ごしやすい環境づくりをしていきたいと思います。N

 発達障害のお子さんをもつ親御さんの投稿記事を読みました。
 なぜ自分だけ支援学級に行くのか?と問われたお母さん、担任教師に「頑張りたい子と、頑張れる子が行くところだよ」と伝えてあげてください、と言われ、ホッとした、とのこと。
 また、親だからこそ診断名が認められず、不安を感じてしまうという時に違った立場で見守り、応援してくれる存在が、どれほど心の支えになるか、とのことでした。
 はっきりした言葉で思いを語ってくださるのはご本人より、ご家族の方ですが、こういった記事に出会うと、全く知らない方でも物凄く励みになります。

「さくらはをもしろき物、木の中よりさきいづ」冬の裸の桜の木の中には既に春の準備が進んでおり、美しい花がそこにあることを言われたものです。
 発達障害の方は見た目からの分かりにくさ、能力のアンバランスさから、高い能力を発揮できる分野があるために苦手な部分では努力不足、親のしつけ、等の評価がまたまだあるようです。

 私たちは身近な人へ理解を広げながら発達障害があるとされる人たちがその中の桜を満開にすることを目指して、この支援は正しかったのだろうか??と今日も皆で悩んでいこうと思います。N

 インターカルチュラリズム、間文化主義と訳されますが、カナダのケベック州が進めている考え方です。今も続いているテロの影響で急増している難民の受け入れを積極的に行っている州政府が基本理念に置いているものだそうです。

 移民が急増した当初は大半を占めるフランス系の人たちの不安感が高まり、移民排斥の意見もあったそうですが、そこで重要視されたのは異文化間の対話でした。交流の場を多く設けた中の代表的なものがシルク・ドゥ・ソレイユです。メンバーの出身国は40を超えるそうです。使われる言語も25とのことです。

 ある平和活動家の言葉に“私は人間であるゆえに、人間に関することで私に無関係な事柄はない”とあります。

 自国民と移民、コチラとアチラ、という壁を出来るだけ取り去って、人間として相手の文化を尊重する姿勢を基本に置くことができれば異文化間の対立は起こり得ないと思います。

 同じことが障害者と健常者との考え方にも言えるのではないでしょうか。社会を変えると言っても、つまるところ個々の物の捉え方を変えることに他ならないのだと思います。

 ですから、当事者意識と相手の文化を尊重する開かれた心=OPENマインドが現代には欠かせないキーワードなのではないかと思います。N

 先日、ローマで"青年の集い"が開催されました。各種NGO団体のメンバーが1000人以上集まるイベントでしたが様々な目的をもって活動する団体の青年メンバーがノーベル平和賞受賞者のエスキベル博士と意見交換を行なったとのことでした。
 その中でメンバーが共通して確認したことは、自分が正しいと信じる道で非暴力=対話の活動をやり続けること。周囲、特に識者と言われる人たちや年配の方からの冷ややかな対応に希望を失いそうになる、との声がありつつも、それを継続するための仲間を持つこと、そしてやり続けること、そのことが世界を変えることにもなるし、その役割は皆さん若い人たちが担うのです、との博士の言葉でした。

 大学生の就職内定率が既に50%に近づいているそうです。それぞれの道で役割を全うすることは自分の力にもなるし、力をつけることは世界を変えることにも繋がると言えると思います。
 これからの社会を創りゆく新卒の皆さんが今まで以上に困難に負けずに大活躍されることを念願しております。
 その中で一緒に働く縁がある人がいたら嬉しく思います。N

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