やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2018年09月

 囲碁、将棋、チェス等、10代の活躍が目覚ましいですが、先後最年長41歳でプロ棋士になった人がいます。今泉健司さん、14歳でプロを目指し養成所に入るが、あと1勝というところで勝ち切れず養成所を退会。
 その後、介護施設の仕事についたとのこと。利用者さんの思いもよらない言動に振り回される日々の中で、懸命に利用者さんを追いかけながら、話を聴きながら、自身の知識や経験、想定を越える経験を重ね続けたとのこと。
 そのことがプロ棋士への再挑戦の際に難局で動揺しない精神力につながったそうです。

 私たちも何年携わっても“え〜!?”や“そうだったのか!!”の日々を送っています。それがやりがいでもありますが、同時に自己の精神力を鍛えていただいているのかもしれません。N

 久しぶりに第二やまびこ工房の様子を一部紹介します。

 作業室Dです。個別のスペースが確保されています。休憩場所も共有のソファーを使われる方とご自分の場所を使われる方がいらっしゃいます。
 個人的にパーテーションに使っている板の模様が気に入っています。
 
18-09-23-23-10-32-762_deco


 作業室Bにて受注の仕事に取り組まれています。
18-09-23-23-17-01-088_deco


 作業室Gはご自分のペースで過ごしやすいよう、説明を各所に配置しています。
18-09-23-23-22-58-017_deco

 
 今回は以上です。また次回お楽しみに。N

 わかめの収穫場での一コマが紹介されていました。ボランティアも多数参加しての計量作業。最初のグループは大雑把に一抱えをカゴに入れる、次のグループが計量しカゴに分ける。次に塩を振り袋に詰めるという作業。ボランティアは最初のグループに加わって作業をしていましたが、地元の人との大きな違いが・・・

 ボランティアは若さもあり、作業スピードは速く、次々とカゴを回していくことができている。しかし、地元の方は絡んだワカメを解しつつ、ほぼ計量する量に近い固まりにして、カゴに移している。時間はかかるが後のグループの作業はスムーズに進み、結果的にはボランティアが関わったわかめの袋詰が最後まで残ることになる。
という話でした。

 もちろんボランティアが加わったことによつて大幅に作業が捗ったことは間違いなく、地元でも大歓迎されています。
 この記事で言われていたのは、ボランティアと地元の方の大きな違いは目指すゴールだということです。ボランティアスタッフは目の前の作業に懸命に取り組む、一方、地元の方は袋詰までを目標とするので、そこに辿り着くための行動を考えるということです。

 これは何に取り組む場合にも言えることではないでしょうか。目の前の利用者さんに仕事を伝え、できるようになってほしい、それも一つの目標でしょう。しかし、私たちは、更に先のそのスキルの獲得が何を生むのか、その利用者さんの暮らしがどのように充実していくのか、ということにも想いを馳せながら取り組んでいきたいと考えています。N

 『礼は往来を尚(たっと)ぶ。往きて来たらざれば礼に非(あら)ざるなり』[礼記]
 相手を敬う心は互いに行き来してこそ深まる、とのことです。

 会って聴いて話してという中で相手を知り、そのことから自身を知ることができるのだと思います。日々の利用者さんを知る取り組みの中で直接やり取りをすることで信頼をつくっていけるのだと思いました。

 一方、ガイドヘルプ、送迎、宿直、その他の出張等、スタッフが顔を合わせる機会が少なくなっている状況も。互いに報告、相談の意識を強めながら更に団結して仕事に取り組みたいと思います。
 明日は全体会議、一堂に顔を合わせて話し合います。N

 昨日、ボランティア協会の季刊誌わくわくの取材に来ていただきました。
 風の谷が20周年ということで活動を紹介していただけることになり、座談会の形式で自閉症を取り巻く環境の経緯と法人の成り立ち、現場で感じるこの仕事の魅力や難しさ、今後の課題などが話題になっています。

 この仕事の魅力について共通して挙がっていたのが、自閉症の方ご本人の魅力です。個々に配慮する点や特性が異なる皆さんですが、根本にあるのが人として、どうありたいのか、どう感じるのか、という"人間の根源"との表現が出ていましたが、分からなさや不思議さも大いにありながら、その真っ直ぐな生き方に私たちは人としての存在そのものの魅力を感じているのだと思いました。
 今日も利用者さん一人を深く知るための試行錯誤をしていきたいと思います。
 そしてそこて知ったことを自身の人生に活かしていきたいと思いました。

 ボランティア協会季刊誌『わくわく』ぜひご覧ください。N

このページのトップヘ