やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2019年02月

 雑誌記事で目標の立て方についてのものがあり、名詞的ビジョンと動詞的ビジョンとの見出しにつられて読んでみました。
 結論は、目標は動詞的に立てる、とのとでした。
まず名詞的ビジョンはどのようなものかというと、優勝、上場、改善など。動詞的だと優勝する、上場する、改善する、となります。
 読まれた方は、当たり前でしょと思われたかもしれませんが、名詞的な方が他人ごと感があり、動詞にすると自ら取り組む身近なものに感じられます。自分のこととして捉えられてこそ、そのための知恵も行動も生まれるものなのでしょう。

 私たちの支援もいかにご本人の主訴を汲み取るかということが重要になります。そのための相談支援の充実ということか国の方針としても示されていますが、そのご本人の訴えを正しく受け取れていない現状も否めないという苦しい面もあり、その意味では利用者さんに私たちか寄り添っていただいているとも言えるのだと思います。
 ともあれ、仕事内容に限らず、余暇の場面においても動詞的にお伝えするというのは分かりやすくなるのかもしれません。

 目的感と当事者意識をもつためにも動詞的に考えることは効果的だと思います。今日も一日何をする、と明確にしながら支援をつくりたいと思います。N

 夜間中学の利用が広がっているそうです。
国が何らかの理由で通学日数が少なく、卒業はしたけど満足な授業が受けられなかったという人にも門戸を開いたことや先に話題にさせていただいたリカレント教育、学び直しを希望される方が多くなっていることからと考えられますが、夜間中学自体が少ないのが実情のようです。その数は8都道府県に31校のみとのこと。そこで国は各都道府県に1校設置を目指し始めたとのことです。

2016年に成立した教育機会確保法からの流れですが、学校の設置と同様、そのスタッフ確保が問題のようです。そうした中で埼玉県川口市での取り組みは地域が一体となったものになっているそうです。
スタッフは教員だけでなく、学生や会社員も参加しており、聴覚障害者受け入れのため、手話通訳のスタッフもいるそうです。

 そういった環境整備の中で外国人の受け入れが進んでいるとのこと。カタカナを覚えたことで初めて自分の名前が書けた、役所での手続きが出来るようになった等、喜びの声が上がっているとのことです。
 一部、外国人の受け入れ自体の是非が話題になっている面もありますが、外国人とか障害者とかと言った表現そのものが古くなりつつあるのではないかと思います。身近にいる地域の人たちが自分たちでより良い街づくりをするために教育の充実は欠かせません。こういった草の根の場所でダイバーシティが進んでいくことが一番大事なのではないかと思いました。

 飛び抜けて得意分野に関する知識が豊富な方が多い自閉症の方がその力を活かして教壇に立つ日も遠くないかもしれません。N

 昨日、一昨日と2日間に渡って障害者の支援研究の全国大会が行われました。
 私は2日目の分科会のみ参加させていただきましたが、とても有意義な時間になりました。
 私が参加した分科会は“エピソード記述”京都大の鯨岡名誉教授の講義とその実践をされた方の報告、検討という形で進められ、新たな学びと今後の取り組みをしっかり考える機会をいただきました。

 私がこの仕事に就いた頃、記録の仕方の研修では"客観的"であること、が強調され、行動データを取るために事実を書き留めるということが言われていましたし、風の谷でもその記述の仕方が主になっています。

 反対にエピソード記述は支援者が感じたことを記述しながら、利用者さんがどのような“関係性”がそこにあるのか、ということに視点があります。
 実際にそれを書き表すことは訓練が必要だと感じましたが、その根本にある、人は様々な関係性の中で生きる、という考え方にとても共感を覚えました。そして、それを書き残すことで利用者さんの人物像が分かる記録になり、そのことで年齢や学年による支援の分断を防ぐ事ができます。
 ニュージーランドでは1年ごとに記録がまとめられ、義務教育終了時には冊子として本人に渡されるそうです。

 エピソード記述を行うためには、当事者同士の共感や繋がりから生まれる場面が重要で、そのためには支援者が利用者さんに真摯に関わる姿勢が必要です。少なくとも仕事としての義務感だけでは成し得ない取り組みだと思いました。
 人が関係性の中で生きている、そのため関係性を整理し、読み解くことがその人を知ることになるとの考え方は支援場面に限らず、誰しもの人生に当てはまることで、そこには、支援者、利用者や障害者、健常者といった形式を排した人間としての接し方があると思います。

 日々の実践の中で考え、深めていく必要がある内容でしたが、あらためて、何と興味深い仕事に携わっているのだろう!との感動を強く持つことができました。N

 昨日は公立高校の入試が行われました。やまびこ工房に職場体験で来てくれた大沢中の皆さんもチャレンジしていたかもしれません。
 今日受験をした皆さんは、お疲れ様でした。やり切った人も心残りの人も挑戦の思い出は一生の宝になると思います。まずは、リフレッシュして下さい。ちなみに私は高校入試を終えた日からドラゴンクエストⅢを一気にやった思い出があります。
 
 ナウシカでの散歩や買い物の道すがら梅や菜の花が咲いて春が確実に来ているな、と感じるものが多くなってきました。
 春に向かって体調を整えながら新しいスタートの準備を楽しんでください😊

 ある記事にドイツのアルフォンス・デーケンの言葉が紹介されていました。
『ジョークは頭を使った技術、ユーモアは心から発する思いやり』と。
ドイツではユーモアを"にも関わらず笑うこと"と言うそうです。
 それは周りに心配をかけまいとすることであったり、他の人を励まそうとすることであったり、いずれにしても"人のため"の行動であると言えるのだと思います。
 その意味ではジョークの技術を会話やスピーチ等で活かす力もユーモアと考えられるのでしょう。
 根本の何のため、誰のため、が何処にあるのか?大事にしたいと思いました。N

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