やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2019年07月

 非常に暑い日が続いております。早速、台風が上陸しています。くれぐれも無理をなさらず、無事故最優先で行動していただきたいと思います。今日、明日はナウシカ地元の上溝まつりです。朝から準備で賑わっています。携わる方は熱中症にご注意ください。ビールだけでは水分補給になりませんから!また、風が強くなってきていますので、補強、固定を工夫しておきたいですね。

 さて、こちらは夏の暑さが続き、ナウシカ周辺でも活発な様子が見られています。熱くなった途端に一斉に咲いた紫の花、忙しく飛び回るハチに朝の散歩で会いました。
 紫の方は何という花でしょう?
ハチ


 先に紹介させていただいたマドレーヌ作り。
 着々と種類の追加と生産ペースを上げる取り組みが進められています。
写真は新たに作業に加わった方の様子。付き添いのスタッフも含め、初でしっかり必要量をこなしています。また、材料を予め量って準備する行程を担っている方もいらっしゃいます。袋の文字もご本人が書かれています。
 スタッフ、利用者関係なく、一緒に楽しみながら取り組めています。これから更に商品開発、生産力向上のために担う人を増やしていきたいと考えています。N

マド


抹茶

 先の記事で自閉症の方と地域の橋渡し役を担いたいと書かせていただきました。
 その関連でもう一言。

 橋渡しは大事な役割ではありますが、同じ悩み、同じ課題、共通点のある経験、これから目指す方向など、共通の認識や体験をもった方同士がつながることは多くのメリットを生み出します。

 やまびこ工房でも長年同じ作業場面を経験してきた方が相手の動きに合わせて作業を円滑に進める動きをされるようになっていることや、同じグループホームで暮らす方同士が直接やり取りはなくとも気がつくと揃ってくつろいでいる姿、同様に親の会の中で親御さん同士のやり取りからご家族の接し方が変わり、とても落ち着かれたとのエピソード、中には制度の具体的な申請の仕方の共有など、当事者が繋がることでの状況の変化は大きく、またメリットの大きいものが多いようです。

 風の谷がそういったプラットフォームのような役割を担うことができる事が一番なのではないかと思います。
 もちろん、その中で支援者同士のつながりも作っていきたいと考えています。N

 自閉症の方にとって、ひょっとしたら私たちも同じかもしれませんが、慣れたお店というのは非常に貴重な社会資源となります。

 "慣れた"と一口に言っても様々な要素が組み合わさっていて、そのポイントは人によって変わるものだと思いますが、一つには場所や店舗の外観、内装などの見た目が挙げられるでしょう。

 でも一番重要なのは、やはり"人"でテクノロジーの発達に伴い無人化が進んでいるとは言え、まだまだ人を介してのサービスのやり取りが主の社会です。その中で関係性ができて利用者さんの気にされるポイントを抑えた接客をしてくださる方が多くなっており、とても嬉しく思っています。

 しかし、社会は絶え間なく動いており、そこに変化は必ず訪れます。人もそうで、これまで法人内でも様々な人の動きが起きていますがナウシカの地域でも変化は起きます。

 その中で大きなものは閉店と人が替わることです。どちらも致し方ないのですが顔を合わせることを何年も重ねる中で得られる理解や関係性はあるので、どうしても残念に思われてしまいます。
 私たちはそういったことも日々想定しながら準備をするべきなのだと改めて思いました。

 数年前に"ブレない"という言葉がピックアップされましたが、状況の変化にブレる事なく、障害当事者と社会の通訳として、よりその変化を活かす知恵を出すのが私たちの役割なのだと思います。

 法人の20周年記念式典を盛大に行わせていただいて1年が過ぎました。この間、新しいグループホームの開所もあり、ますます刺激と魅力に満ちた日々を送らせていただいております。いz戦の記事でも書かせていただきましたが記念事業を通して多くの人の支えを再確認し、そういった人の繋がりが何よりの宝ではないかと感じています。

 一方、こんな新聞記事に会いました。2018年に行われた内閣府の調査によると「自分自身に満足している」という自己肯定感をもつ青年層の割合がアメリカ87%、イギリス80%、韓国74%に対し、日本は45%とのこと。この結果に影響を与えているものの一つにSNS利用の拡大があるようです。(あくまで原因ではなく、影響を与える要素の一つ)
 SNS上で繰り広げられるLike(いいね)合戦。そこから若い人の中には自分以外の人たちは皆、幸せに満ちていて上手くいかずに悩んでいるのは自分だけ、との思いにかられる人がいる、とのこと。
 ほとんどの方は「そんなわけないじゃんw」と思われるかと。
 でも今増え続けている若い人の精神疾患の原因の代表格にそういった形での事項工程間の低下があるとの精神科医の解説がありました。
 
 ネットの検索機能を使えば知りたい事柄のみを地移出した情報が簡単に得られ、逆に関心のある、または過去に触れたことがある情報を選んで提供してくれます。そのことで余計なものがない必要な情報のみを切り取って手に入れることができるわけですが、そこには真偽の判断がなければなりません。
 入ってくる情報に合わせて行動する「空気を読む」ことが第一とされる背景には先に情報があり、自分の考えは必要とされないという文化があるのではないかと考えられます。

 自分が何に興味があり、何がやりたくて、そのために今、何を必要としているのか?自分で考え、決めていいんだ、という考え方に立ち返ることが必要なのではないかと思いました。
 それがダイバーシティーだったり、自己決定支援だったり、誰も置き去りにしない、との一人の存在に光を当てようというSDGsの考え方となっているのだと思います。

 その意味では風の谷がこれまで繋いできた人のつながりは、それぞれの方の考えや行動のごく一部が奇跡的に重なったものかもしれませんが、その中心軸にあるのは、間違いなく、自閉症の方の魅力なのだと思います。N

 『職業というものの尊さは、内よりもまず、人と人を結びつけることにある。この世の贅沢は一つしかない。人間関係という贅沢がそれだ』サン・テグジュペリ

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