IMG_20180409_103540


 
IMG_20180409_103548

 自閉症の方が情報を得やすい方法として視覚的に伝えるというものがあります。
 構造化は視覚的に情報を整理して自閉症の方にとって分かりやすい状態にする方法です。スケジュールやパーテーション等で空間を区切って場所と目的を明確にすること、仕事の順序ややり方を手順ごとに整理した形で提示して、仕事を進めやすくする等、やまびこ工房でも日常的に行っています。同様に駅やデパートでレジやトイレがどこにあるか?等を表示しているのも一種の構造化と言えるでしょう。
 視覚的に分かりやすく、が私たちの基本姿勢としてありますが、分かりすぎるために、それが影響力を持ち過ぎてしまう場合も考えられます。
 
 先日、作業室の模様替えを行ったところ、ある利用者さんは、以前ご本人のスペースがあった方向へ行かれることが多く、他の方とのバッティングが増えてしまうため、そうならないルートを矢印で示したところ、すぐにそちらのルートを通られるようになりました。
 同様に、別の利用者さんに、作業室内の他の利用者さんのものがあり、こちらの棚の側には入らないでください、と伝え、床にカラーテープを貼ったところ、一切そのラインから先に来られなくなりました。

 どちらも、それぞれの方の特性に合わせて、安全に過ごしやすくなるよう、お伝えし、うまくいったと言えるものだと思います。
 しかし、これらの事から自閉症の方にとっての"分かりやすい"ことは、その分、影響力も大きく、その方の受け取り方をよく想像して配慮を行わなければならないのではないかと思いました。

 以前、私はある利用者さんが辛い思いをした話を聴き、その内容を整理するために書き出そうとしました。しかし、利用者さんから、書き出すことに対し非常に強い嫌悪感を表される事があり、すぐに紙もペンも片付けたことがあります。

 先に述べたラインから先に入らないことなどは、それを行なう側の意図によっては、利用者さんの行動を制限し、都合が良いようにコントロールすることも可能だということになります。
 あくまで、ご本人が過ごしやすくなることが様々なセッティングの目的であることを忘れずに取り組みたいと思います。N