手洗いの際には両手を擦り合わせることで、どちらもきれいになります。ですから手を怪我した人が一番困るのは利き手ではない方で箸を使うことよりも手洗いに難儀するそうです。

「片方の手が、もう片方の手を洗ってくれる」
南アフリカに伝わる言葉です。
 また、人は人で磨かれるとも言われます。人は人との関係性の中でこそ人間として生きる事ができる、とも。

 自閉症の方は社会性の障害があり、雰囲気、表情、声のトーンなどから状況を判断し、適切な行動を選択することが得意じゃありません。
 でも、それが人との関係性を嫌っていることにはなりません。良好な人間関係を築くこと、自分の存在が誰かの役に立ち、喜ばれていることを知ることは嬉しいことですし、人としての社会性の欲求は私たちと変わらないのだと思います。
 そして、それを理解しにくいからこそ、いわゆる空気を読む努力を重ねて生きて来られているのではないかと思います。

 人との関係性が希薄になり、子どもが親に宿題の解き方を聞かず、スマートメディアに答えを聞くということも増えているそうです。
 かくいう私もスマホを見つめる時間はかなり増えています。先日、書かせていただいたコミュニケーションが取りやすい環境づくりと共にコミュニケーションを重要視する文化が大事なのではないかと思います。
 そういった意味では、やり取りに日々奮闘する自閉症の方は現代のパイオニアなのかもしれません。N