医療事故の原因について書かれたものを読む機会がありました。
 医療に限らず、あらゆる分野において分業化が進み、効率的なシステムがつくられている世の中ですが、その分、システムの中で個人が埋没しているのも事実なのではないでしょうか。 

 そこで取り上げられていた医療の事故はレントゲン検査結果から肺がんを見落とし、“異状なし”との診断を出すことになったこと、「専門化と特殊訓練化、現代の一般的傾向である。至る所で水平化が生じ、その過程で人間は機械装置の一部となる。判断する力、豊かな洞察力、個人的な自発性は麻痺させられる」と。

 業務のシステム化は人が代わっても仕事が円滑に動いていくために必要なことです。同時にそれに携わる個々の違い、「この人ならこの役割をこう行える」「私はこの部署でこの役割を果たしたい」との考えが重要なのだと思います。

 福祉の現場は人材不足が常に言われています。しかしその分、個人の存在や役割が埋没することなく、目的感、当事者意識を保ちながら働ける場所でもあると思います。
 何より、常に興味深い課題を提示で利用者さんが、それを維持してくださっています。N