「同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ること自体が、コミュニケーションである」
 ピーター・ドラッカーの言葉です。
 確かに、と思いました。

 私たちは利用者さんの表情から不調の様子を読み取って、注目を強くする、気を紛らわせるような働きかけをする等の対応はよくありますが、そういった働きかけを行う前に不調と見られた様子がガラッと満面の笑顔に変わるということも多々あります。
そういった時に"この方はどんな世界を生きているんだろう"と思わず呟いてしまうことも。その点は共感するスタッフが多く、それが知りたくてこの仕事を続けていると言われることも多いです。

 この“分からなさ”を分かっておくことが大事で、それは利用者さんとの関係でも同じ事が言えるのではないかと思います。同僚でも友人でも家族でも全く同じ世界を生きている人は一人もいないというのが事実ですから、伝わらなくて悩む、何で分からないんだ、と不満に思うこと自体、事実のみを考えるとナンセンスなのかもしれません。

 それでも誰もが相手に期待し、共感を求めるものです。だから利用者さんとスタッフの相性のようなものも表れ、それをもとに好みや希望するものが分かることもあります。
 相手が自分と同じように感じるとは限らないことを忘れずにいる事が大切なのでしょう。N