新聞記事からです。
 人の命はいつ始まるのか、とのテーマで書かれたものでしたが、その歴史を辿ると人はとてつもない技術を手に入れていることを感じます。
 人はいつ生まれるか?は赤ちゃんが産まれた時でした。それはまだ人の体の中まで人の手が届かなかった時代の話で'70年代に体外受精が実用化されると考え方が一気に複雑になってきました。
 体外受精の技術は不妊治療だけでなく再生医療の研究に役立てられることとなり、ついにクローンの双子が誕生というニュースはまだ記憶に新しいかと思います。

 体外受精の場合、男性と女性の細胞を取り出し皿の上で受精させてから女性の体に戻すという方法をとります。同時に受精させたものを冷凍保存し、研究や治療に役立てようという方法もとられています。
 そこで議論になっているのが受精し、胚の状態になった細胞は分裂を始め、やがて人の形になっていきますが、この自ら分裂を始める時はヒトなのかモノなのかというものです。

 "14日ルール"が'80年代に作られました。胚が14日経つと全身の構造ができ始めるそうです。そこからをヒトと見なす考え方です。したがって14日経つ前にその細胞を壊し、中の胚性幹細胞を取り出し、再生医療の研究に役立てられます。24日経つ前はモノとして扱うという考え方になります。
 それが受精の瞬間から人間だ、とする考えの人とその構造になってからだ、とする考えの人とで論争になっています。

 ただし、議論が分かれていることから明白な通り、14日という基準は研究を可能にするための妥協可能であろう時期を14日と定めたということであって、そのに科学的、客観的根拠があるわけではありません。
 医療発展のためという目的が崩れた瞬間にその倫理性は失われます。しかし、再生医療が人の役に立つことであるのは間違いありません。
 皆さんはどう考えられるでしょうか?N