昨日、一昨日と2日間に渡って障害者の支援研究の全国大会が行われました。
 私は2日目の分科会のみ参加させていただきましたが、とても有意義な時間になりました。
 私が参加した分科会は“エピソード記述”京都大の鯨岡名誉教授の講義とその実践をされた方の報告、検討という形で進められ、新たな学びと今後の取り組みをしっかり考える機会をいただきました。

 私がこの仕事に就いた頃、記録の仕方の研修では"客観的"であること、が強調され、行動データを取るために事実を書き留めるということが言われていましたし、風の谷でもその記述の仕方が主になっています。

 反対にエピソード記述は支援者が感じたことを記述しながら、利用者さんがどのような“関係性”がそこにあるのか、ということに視点があります。
 実際にそれを書き表すことは訓練が必要だと感じましたが、その根本にある、人は様々な関係性の中で生きる、という考え方にとても共感を覚えました。そして、それを書き残すことで利用者さんの人物像が分かる記録になり、そのことで年齢や学年による支援の分断を防ぐ事ができます。
 ニュージーランドでは1年ごとに記録がまとめられ、義務教育終了時には冊子として本人に渡されるそうです。

 エピソード記述を行うためには、当事者同士の共感や繋がりから生まれる場面が重要で、そのためには支援者が利用者さんに真摯に関わる姿勢が必要です。少なくとも仕事としての義務感だけでは成し得ない取り組みだと思いました。
 人が関係性の中で生きている、そのため関係性を整理し、読み解くことがその人を知ることになるとの考え方は支援場面に限らず、誰しもの人生に当てはまることで、そこには、支援者、利用者や障害者、健常者といった形式を排した人間としての接し方があると思います。

 日々の実践の中で考え、深めていく必要がある内容でしたが、あらためて、何と興味深い仕事に携わっているのだろう!との感動を強く持つことができました。N