法人の20周年記念式典を盛大に行わせていただいて1年が過ぎました。この間、新しいグループホームの開所もあり、ますます刺激と魅力に満ちた日々を送らせていただいております。いz戦の記事でも書かせていただきましたが記念事業を通して多くの人の支えを再確認し、そういった人の繋がりが何よりの宝ではないかと感じています。

 一方、こんな新聞記事に会いました。2018年に行われた内閣府の調査によると「自分自身に満足している」という自己肯定感をもつ青年層の割合がアメリカ87%、イギリス80%、韓国74%に対し、日本は45%とのこと。この結果に影響を与えているものの一つにSNS利用の拡大があるようです。(あくまで原因ではなく、影響を与える要素の一つ)
 SNS上で繰り広げられるLike(いいね)合戦。そこから若い人の中には自分以外の人たちは皆、幸せに満ちていて上手くいかずに悩んでいるのは自分だけ、との思いにかられる人がいる、とのこと。
 ほとんどの方は「そんなわけないじゃんw」と思われるかと。
 でも今増え続けている若い人の精神疾患の原因の代表格にそういった形での事項工程間の低下があるとの精神科医の解説がありました。
 
 ネットの検索機能を使えば知りたい事柄のみを地移出した情報が簡単に得られ、逆に関心のある、または過去に触れたことがある情報を選んで提供してくれます。そのことで余計なものがない必要な情報のみを切り取って手に入れることができるわけですが、そこには真偽の判断がなければなりません。
 入ってくる情報に合わせて行動する「空気を読む」ことが第一とされる背景には先に情報があり、自分の考えは必要とされないという文化があるのではないかと考えられます。

 自分が何に興味があり、何がやりたくて、そのために今、何を必要としているのか?自分で考え、決めていいんだ、という考え方に立ち返ることが必要なのではないかと思いました。
 それがダイバーシティーだったり、自己決定支援だったり、誰も置き去りにしない、との一人の存在に光を当てようというSDGsの考え方となっているのだと思います。

 その意味では風の谷がこれまで繋いできた人のつながりは、それぞれの方の考えや行動のごく一部が奇跡的に重なったものかもしれませんが、その中心軸にあるのは、間違いなく、自閉症の方の魅力なのだと思います。N

 『職業というものの尊さは、内よりもまず、人と人を結びつけることにある。この世の贅沢は一つしかない。人間関係という贅沢がそれだ』サン・テグジュペリ