私は凝ります。肩凝りについて、以前既婚の外国人の女性からこんな話を聞いたことがありました。

「私の国では、肩凝りという言葉がなかったが、結婚して日本に来て”肩が凝る”という言葉を日本語で知って以来、私は肩が凝るようになってしまった。」

なんだか不思議な話です。もしかしたら彼女が日本に来たことでのストレスか何かで肩が凝る、ようになってしまったのかもしれませんが、彼女の説明では[肩の不調]を言い当てる言葉を、彼女の国の言葉では持たなかったから肩こりを感じなかった、ということでした。

私達は肩凝りについて、「首が回らないよー」とか「もう肩、バリバリ」とか「あー肩が重い」とかいろいろな言い回しをしますが、きっとそれは私達が、(肩が凝るという感覚)を「肩が凝る」という言葉でしっかり捕まえて感じているからではないでしょうか。

体の感覚は人それぞれ表現の仕方が違いますし、筋肉のつき方や我慢強さも違います。もともと真に個人的で表しにくいそうしたもやもや(?)を名付けることは難しいことなのかもしれません。自閉症の人たちなら尚更です。でも一度名付けることができるとその感覚を共有できたり、それが痛みなどの場合なら対策を考えるきっかけになったりします。自閉症の人たちも、口ではなかなか言い表せない微妙な感覚をたくさん持っているはずです。想像力を働かせて少しでもしっかりした「名前」に近づきたいと思っています。 
では一句

ほのぼのと名前のついた野分かな 

それでは風邪が流行っているようなので皆さんどうかお体には気をつけてくださいね。(S)