やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2007年06月

Aさん(男性)はあこがれの先生がはいていた女性用のジーンズが穿きたくて、ダイエットする!と時折、宣言するときがある。そういう時はあまり調子はよくなくて、自分を極端な状態に追い込んでしまっている。また逆にいくら食べても納得できないときもあって、うどん、からあげ、エビフライ、コロッケ・・・。と気持ち悪くなるまで食べ、後悔してしまうときもある。
 普段のAさんはバランスのよい食事をしている。“健康”という言葉はAさんにとって全てに優先する。今日も午後3時ごろ、突然サンドウィッチは?というので、ポテトチップスならあるけど・・・というと“いや だめ、カロリー気をつけているから”と。ノンシュガーコーヒーを飲むと訴える。無糖という文字がAさんは嫌いだ。糖尿病をイメージしてしまうからなんだそうだ。否定語で糖の文字を打ち消しても、漢字の持つパワーに圧倒されてしまうらしい。健康を害するタバコは大嫌いだ。それと同じくらい禁煙という言葉も嫌いだ。喫煙という言葉も禁煙という言葉もタバコから見れば等価な言葉に違いなく、タバコをイメージさせる力は禁煙という言葉のほうが強いかもしれない。
 先日、Aさんはガイドヘルパーとともに出掛けた。出掛ける前に「てんや(天丼や)」で食事したいから、ある場所調べてくれと頼まれて、調べて伝えたが、実際入ったのは回転寿司屋だった。カロリーを気にしてのことなのだろう。そこで、ヘルパーにフグの唐揚げを食べたいと訴え、了承を得ると
“すいません、フグの唐揚げ、毒なしで”と注文していたそうだ。毒という言葉もやはり嫌いだ。(Y)

 五月は陽射しが暖かくて、風がひんやりしていて、空気も乾いていて、緑もきれいで「一年がずっと五月ならなー」と思っていました。ところが、そんな私が気持ちいい、と思っていた季節が人によっては辛い季節だということを最近知りました。

 肌が乾燥する人やアトピー性皮膚炎の人にとってこの季節は、肌が乾燥してかゆみが出たり、そこを掻き壊して傷になってしまったりするそうです。それは、私にとっては思いもよらないことでした。以前読んだ本の中で、ある自閉症の人は雨が皮膚に当たると痛みを感じる、というのがありましたが、普段の何気ない季節の移り変わりも、それぞれの感じ方があるのだろうな、と想像しました。


地にとどく手前を掬う夏燕 【ちにとどくてまえをすくうなつつばめ】

ここ何日かで空気が湿気を含んできましたね。まもなく雨の季節です。(S)

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