やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2017年10月

 スタッフのWが定期的に鉢植えを交換しています。今回は、ホウキ草と呼ばれるもので緑の葉が真っ赤に色づきつつあります。同じ並びのお宅にも置いてあり、そちらはもう真っ赤に染まっています。ナウシカのも奇麗に並ぶのが楽しみです。
IMG_20171012_155029

 よく顧客に学ぶ、市場に学ぶ、また利用者に学ぶ、と言われます。間違いなく大切な姿勢であり、それがベースにあっての様々な方法論になるのだと考えています。
 では、私たちが“利用者に学ぶ”という時、どうすることを言うのでしょう?

 私は常に利用者の要望を汲み取り、それを実現、またはそこに取り組んでいくことだと考えています。そのためには、まず言動を見逃さない観察力が必要です。(自分のペースややり方に合わせさせて、コントロールしていってしまう職員は支援者ではありません。支配者です。)
 そして、観察したことを正確に残す、記録力。その記録を活かす分析力、分析から支援方法を考える発想力、そしてそれを行う実行力ということになります。

 人それぞれ得手、不得手がありますが、それがチームで支援することの醍醐味だと思います。
 得意分野に力を発揮し合いながら組み立てた支援が何らかの形で実を結んだ時は最高の達成感が得られるのがこの仕事です。

 このように利用者の声、動き、視線を学びながら自らの支援技術向上につなげていくことが私たちの利用者に学ぶということではないかと考えています。N

 以前、一緒に働いたことのある人が「自分もこうありたい」と言っていました。
 自閉症の方は人によってこだわるポイントがあり、それがご本人の好みにそぐわなくても己に課した掟のように実行されることがあります。
 買い物へ行き、好きなものを買える場合でも棚の商品の陳列のバランス、残数を合わせることを優先し、買われたたお菓子を泣きながら一気に召し上がるような場面にも遭遇したことがあります。
 せっかくだから、とか、たまには、といった言葉はないようです。
 嫌なことでもご自身で決められたルールを遵守される姿には掟に殉ずる武士の生き方を彷彿とさせられ、感動を覚えることがあります。
 こうした日々の行動から、その方の大事にされるポイントを知ることは好き嫌いを知ることと同様に非常に重要だと思います。
 私たちは、この状況だとこの方は嫌いなものを取らなければならない、という時にどのように納得した形で好みのものを手にしてもらうか、ということに知恵を絞ったりしています。
 
 ネット社会の現代、個々に情報アクセス、発信が行われる中でそれぞれの考えや行動が尊重される一方、個人主義が行き過ぎなのでは?と思う状況も見られます。
 そんな中だからこそ、こういった一本気な生き方に魅力と尊敬が感じられるのです。N

 私たちは景色や人物を全体的に見ています。自閉症の方は一点集中で細部を観察するように見ているそうです。
 そういった物の見方からその人の関心があるものが何か探ることがあります。
 以前、私が接する機会があったお子さんはアンパンマンが好きで人形をいつも持って出かけていましたがアンパンマンの絵本は泣いて嫌がっていました。順にページをめくりながら反応を確認するとお話の中でバイキンマンに一度必ず負けてしまうというのが嫌なのだということが分かりました。
 私たちは全体のストーリーを見ていますが、おそらく、そのお子さんは場面ごとを個々に見ていたのでしょう。

 私は何に注目しているかを探る時によく同じ姿勢や同じ目の細め方、手の動かし方等、真似てみるようにしています。もちろん人が違えば同じ体制をとっても感じ方は違うので、それで分かることは少ないのですが、この姿勢はこんなに気持ちよかったのか、とか、こんなにやりやすかったのか、ここがよく見える位置なのか、と発見することがあります。

 先日読んだものに「学ぶ」の語源は「まねぶ」とありました。私も大いに真似びたいと思いました。N

 すっかり夏の余韻は消え去り、空気が冷たくなっています。皆さん風邪には気をつけましょう。
 さて、自閉症の特性についての説明に体温調節が苦手、とあります。特にナウシカでは暑さが苦手な方がいらっしゃいます。
 昨日はかなり冷え込みましたが、室内とはいえ、半袖Tシャツと短パンで非常に穏やかな様子で過ごされている姿を見て、暑さが苦手というより、寒いのが好きなのかも、と思いました。
 かくいう私もエアコンが苦手で特に暖房がとても暑く感じてしまいます。そのため施設内で真冬に半そででいることがあり、見てるだけで寒くなる、と苦情が寄せられています。
 ナウシカの皆さんと感覚が近いのかもしれません。
 ともあれ、そういった個々の感覚に配慮しつつ、風邪の予防には努めていきたいと思います。

このページのトップヘ