やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2018年03月

 先週、ナウシカにはリフォーム工事が入っていました。浴室の工事で3日間お風呂が使えない状態にあり、事前に様々な対応案が出ましたが、利用者さんにお伝えした反応から短期入所棟の浴室を日中の時間帯に利用するという方法となりました。
 書面でお伝えしつつ、その入浴に伴う他の時間帯のスケジュール変更も合わせて相談して、了承をいただいていましたが、それでもいざ当日となると、かなり不安になられた方もいらっしゃいました。
 逆に楽しいイベントとして捉えられた方もいらっしゃり、初の対応でしたが私たちにとっても利用者さんにとっても大きな経験となったのではないかと思います。
 今回のそれぞれの方の反応やこちらの伝え方は大事な情報として残し、今後に役立てたいと思います。
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 特に私が今回感じたことは表向き理解を示され、丁寧な確認に明確にお答えいただいたとしても、それが私たちが言う“了承”と意味が違うということです。今回のような大きな変更は日常生活のルーチンが決まっていて、それが普段通り行くからこそ、その他の変化に対応する余裕が持てている方にとっては根幹が崩される大事件だったのだということ。
 内容の確認と理解、その了承の回答は“仕方ないからイイよ”ではなく、“う〜ん、何とか耐えられると思う”だったのでしょう。
 その方の当日からの緊張感は思わず“辛かったら止めてもイイですよ”と言いたくなるほどでした。
 このことから、ますます私たちは想像力が必要なのだと実感しました。そして、その想像力を高めるためには、その方の様々な行動を鵜呑みにするのではなく、その方の特性のフィルター越しに見た時にどういった意味があるのか、日常的に考えることなのだと思いました。
 

 弊ブログファンの皆様、お待たせいたしました。一週間振りの更新です。
 やはり、年度末は仕事もプライベートも忙しくなりますね。皆様、やっと暖かくなりましたが気温差にむしろ疲れが出てる😣なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 急にペースを上げることなく余裕を持って動いて参りましょう😊
 今日はまずナウシカ周辺の季節の移り変わりをご報告したいと思います。
 しばらくご無沙汰しておりましたが、その間もネタ集めは継続して行っており、その都度、思いついたことをメモに残しています。
 それらをアップしていきますので、少し時間が経過した内容も含まれるかもしれませんが、今ごろ❓と笑っていただければと思います。
 
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 一枚目の写真は一月前の内容になります。分かりやすく、ひなケーキを入れてみましたがナウシカで出されたものではありません。
 梅が一気に咲いていました。
 私はどちらかと言うと梅が好きで春を告げる一番隊長であることや枝ぶりに力強さを感じて、春に向かっていよいよ頑張ろう!と思わせてくれます。
 そして、二枚目は昨日ナウシカ周辺で撮らせてもらったものです。幸い不審者として通報はされませんでしたが、ネコには睨まれてしまいました😅

 タイトルにある通り、様々な花が咲く時期になりました。進級、進学だけでなく、新生活のスタートの時期であり、人それぞれの道へ踏み出す季節だと思います。
 どんな立場もどんな環境もその人にしか進めない道であり、それぞれの花が個々に綺麗な花を咲かせるようにその人にしか咲かない花がそこにはあると思います。
 ご自身のペースでご自身のタイミングで歩き、走り、休んで行くことが一番自然で正しいことなのでしょう。
 私たちも利用者さんの暮らしに寄り添いながら、その花を一緒に喜べるようがんばっていきたいと思います。
 そして、花自身は自分の美しさを見ることができません。その存在感や周りの人へ与える価値を伝えていく仕事がしたいと思います。

 卒業・入学シーズンですね。
 先の見通しをもつことが得意でない自閉症の方は特に苦手な時期のようです。
 気温、天候が落ち着かないことも重なり、周りの人の言葉、態度、服装が変わったものになることに不安を感じる経験を重ねた方が多くいらっしゃり、やまびこ工房でも利用者さんによっては、スタッフ同士の会話で使う言葉の選び方も注意をしています。

 さて、そういった卒業、進級、進学という大事件を毎年経験されてきた方を見ていて思うことは、個別移行支援の大切さです。その方にとってどんな配慮が合理的か、またその配慮に至った経緯の情報があることで、毎年行われる大変化を少ないストレスにすることができるのだと思います。
 そのためには、その方の事を○年生の時等の限定された時期ではなく、継続して寄り添う役割が大事になります。担当のケースワーカーがその役割ということになりますが、異動や担当者が多数になることもあり、難しさがあります。
 また、個人情報保護の観点も重要です。

 そのように、考えていくと最終的には個人情報の扱いも含めた同意をご本人にいただくということになり、その内容をご本人に分かりやすく説明し、その意思を正確に汲み取る意思決定支援が最も重要になるのだと思います。
 課題は多々ありますが、そういった役割をやまびこ工房が、自閉症専門施設として、担うことができれば、3月が辛い時期になる方も少なくでき、もしかしたら、私のように、変化の時期にワクワクしながら楽しみにできる方も出てくるのではないかと思います。N

 先日、東日本大震災から7年を迎えました。未曾有の大災害となった大震災は7年が経過した今も沢山の方が避難生活を続けられています。同じく国内外からの支援活動も続けられています。
 そういった人と人の繋がりが行政等の支援や災害の規模よりも重要な復興要因となっているとのことです。

 ソーシャル・キャピタルという言葉があります。人々の協調性の度合いを表すものです。世界中の被災地をまわって調査、研究を行っているDr.アルドリッチの報告では結婚式や葬儀が頻繁に行われる集落ほど人口や投票率の回復が早いという結果が確認されています。
 地元地域の人の繋がりは当然大事なのですが、災害時の場合、避難のために移住してくる人が多くなります。そういった人たちを含めた新たなコミュニティーが作られる地域は被災前の水準に回復するのが早いとのことです。

 ナウシカもいかに地域との繋がりをつくっていくかという事に知恵を絞っている所ですが、繋がりを作るために試行錯誤していること自体がいざという時に新たな地域をつくっていく方法として生かすことができるのではないかと思いました。
 なかなか目に見える形での地域交流は得意でない方が入居されていますので、その人たちに合った交流と関係性づくりのデータが残せたら何よりだと思います。

 やまびこ工房周辺のゴミ拾いをされている利用者さんがいらっしゃいます。先日その付き添いをさせていただきましたが、
お、そんなトコにもあった!
え!それも拾うんですか!?
と言ってしまいそうな細かいものまで丁寧に拾われていました。

 ただし、その作業の中で見逃す物もあり、その違いを観察していると、どうも周りのものとのバランスで判断しているようでした。
同じ枯葉であっても集まっている場所の場合はスルー、そうでないアスファルトや土の場所にあると拾われ、同様に紙くずであっても予め掃かれた後の残りのような場合は同様の種類の物が集まっているため通過されていました。

 そんな中、特にビニールゴミは遠くにあってもセンサーが反応するように足速に取りに行かれており、TVの逃走中に出てくるハンターを彷彿させる動きでした。
 その反応の違いを見て思ったのが、自閉症者は調和を愛する、ということ。周りの状況とマッチしない色や材質は取り除かれ、そうでない物は置いていかれる、しかもそれはとても敏感な感知能力が働くというのは、どこかアーティストじみた見た目のバランス感覚があるように思えました。
 時々、独特の色彩で絵を描く自閉症者が紹介される事がありますが、沢山の色を使いながらそれが全体で調和しているのは、そういった感覚が成せることなのかと思います。

 こうした魅力が活かせる活動を創っていきたいと思います。N

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