やまびこブログ~風の谷の徒然なる日々~

 法人の活動報告やイベント告知を中心に、スタッフが日々感じたことや自閉症の方の魅力、福祉の仕事の楽しさについて発信しています。

2018年04月

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どうも、はじめまして。
今年度、担当?になりました、
第二やまびこ工房 職員Yです。よろしくお願いします。
これから日々の出来事の中で見つけた沢山の発見を、このブログを見ている方々に伝えていけたらなと思います。


という前置きはこれくらいにして…
さっそく本題に…

去年、第二やまびこ工房では少しではありますが、利用者の方々と野菜栽培をおこないました!
ナスとキュウリとトマトの3種類。

プランターで苗から大事に大事に育てました。
はじめは利用者さんの楽しみの一環としてはじめた事なのですが、土いじりや、日々の水やり、追肥、お手入れなど、段々と利用者さん以上にのめり込んでる自分がいました。

初めてではあったのですが、沢山の野菜を収穫することが出来ました!野菜を取れたのもそうですが、何より自分達で「一緒に育てた」という体験が、私にとって一番の収穫になりました!!!
一緒に…?、楽しみながら出来たのは良かったです。

収穫時期も過ぎ、育てた野菜たちも枯れてしまい、どうしようかと迷っているうちに冬を越え、春になってしまいました…(自分の性格も尾をひいて…)

そろそろ整理しないとなぁーと思っていたら…

まさかのまさか、枯れてしまったと思っていたナスから新芽が出てきていました!!!!!

それがこの写真です!
すごいですよね(^^)

いやぁ〜
植物の力というか…
生命力というか…

とても驚かされた出来事でした。こんなことってあるんですね。


実ができるかまだわかりませんが、大事に大事に育てていこうと思います。
たくさん採れるといいなぁ〜(望)


いずれは、
第二やまびこ工房内に畑をつくって、利用者の方々と野菜づくりに励みたいところです。(夢)


定期的におなす配信はしていきますので、よろしくお願いします!

それとは別に、日々の発見などもブログに載せていけたらなと思います。


長文失礼しました!

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第二やまびこ工房 職員Y

 
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 自閉症の方が情報を得やすい方法として視覚的に伝えるというものがあります。
 構造化は視覚的に情報を整理して自閉症の方にとって分かりやすい状態にする方法です。スケジュールやパーテーション等で空間を区切って場所と目的を明確にすること、仕事の順序ややり方を手順ごとに整理した形で提示して、仕事を進めやすくする等、やまびこ工房でも日常的に行っています。同様に駅やデパートでレジやトイレがどこにあるか?等を表示しているのも一種の構造化と言えるでしょう。
 視覚的に分かりやすく、が私たちの基本姿勢としてありますが、分かりすぎるために、それが影響力を持ち過ぎてしまう場合も考えられます。
 
 先日、作業室の模様替えを行ったところ、ある利用者さんは、以前ご本人のスペースがあった方向へ行かれることが多く、他の方とのバッティングが増えてしまうため、そうならないルートを矢印で示したところ、すぐにそちらのルートを通られるようになりました。
 同様に、別の利用者さんに、作業室内の他の利用者さんのものがあり、こちらの棚の側には入らないでください、と伝え、床にカラーテープを貼ったところ、一切そのラインから先に来られなくなりました。

 どちらも、それぞれの方の特性に合わせて、安全に過ごしやすくなるよう、お伝えし、うまくいったと言えるものだと思います。
 しかし、これらの事から自閉症の方にとっての"分かりやすい"ことは、その分、影響力も大きく、その方の受け取り方をよく想像して配慮を行わなければならないのではないかと思いました。

 以前、私はある利用者さんが辛い思いをした話を聴き、その内容を整理するために書き出そうとしました。しかし、利用者さんから、書き出すことに対し非常に強い嫌悪感を表される事があり、すぐに紙もペンも片付けたことがあります。

 先に述べたラインから先に入らないことなどは、それを行なう側の意図によっては、利用者さんの行動を制限し、都合が良いようにコントロールすることも可能だということになります。
 あくまで、ご本人が過ごしやすくなることが様々なセッティングの目的であることを忘れずに取り組みたいと思います。N

 自閉症の方が抽象的な概念の理解が得意ではありません。それが発達の過程で音と意味が何の脈絡もなく繋がりを持っている言葉は、様々なスキルの中でも難易度が高い方が多いようです。
 それでもご本人の経験から理解されたこと、周りの人の協力によって、ナウシカでは言葉によるコミュニケーションを取られる方が多いです。
 ただ、独自の学習、発展を遂げた言い回しや少し変わった使い方になっているものもあります。
 同様に一つの表現が多義表現として使われる場合もあります。

 ナウシカでは、水分を取りすぎてしまう方がいらっしゃいますが、その方の"お茶のむ"や"お茶をください"は必ずしも飲み物の希望ではないと思われる場面が最近特に増えてきました。(私たちがそれに気付けるようになっただけかもしれませんが)場面によってスタッフの居場所の確認だけだったり、お茶を出すと別の用件が出たり、先日はフタが固くて開かない時にお茶〜と言われることがあり、思わず"今の絶対ちがいますよね😆"と突っ込んでしまいました。

 皆さん、日中活動の場でもナウシカで衣服を片付ける場面でも、合理的、悪く言えば面倒くさがりやな、方法を取られます。スタッフとのコミュニケーションの場合もどう言ったら反応が得やすいか、対応が速い声かけは何か、ということを把握されながら徐々に表現方法が洗練されていくようです。N

 この一週間、自閉症啓発週間ということで世界人権宣言、障害者権利条約など成り立ちや内容を改めて確認し、今の状況を見つめ直す良い機会になりました。
 "私たちのことを私たち抜きで決めないで"
 障害者権利条約作成の際にスローガンとなった言葉です。
 今の社会を見つめ直した時にその根っこにあるものは、先の大戦の時から変わっていないのではないかと思われます。
最近の報道でよく取り上げられる相撲、レスリング、自衛隊、国会等々、そこにある上下関係や権力構造が秩序、正義を生み出すとの思想がまだまだ強くあるようです。
 そしてその考え方は、私たちが正しい人間であり、それが平和な国の形なのだ、との思い込みになっているのではないかと。
それを感じる若い人たちは反発、不信感から無関心という方法に辿り着いているのではないかと感じました。
 色々な人がいて、色々な考え方があり、その活かし方も様々である。それを認め、尊重する姿勢を作っていけるのが、福祉の仕事かもしれないと思いました。
 読み漁ったもののテーマが大きかったために今一まとまらないものになりましたが、様々考えたことは行動に移してこそ意味があるとも思います。目の前の仕事をより充実したものとするために行動していきたいと思います。N

 一口に自閉症啓発と言っても様々な方法があり、一番は今回のような世界的なイベントで多くの人の関心を引くことができるものを考えることです。
 しかし、特に日本人は、熱しやすく冷めやすい性質なのか、イベント時は盛り上がっても火が消えるのが早いという傾向が見られます。
 だから、この啓発週間の後が重要なのだろうと思います。

 啓発活動は人に情報を伝え、その理解と認識をもつ人を増やす作業です。啓発を受けて理解を深める人が増えるのはとても喜ばしいことだと思います。しかし、それが続いて、更に広がっていくためには理解を深めた人が他の人に伝えていくリレー作業が起きなければなりません。
 私たちのような事業所は地域でそういった役割も担っていけるのではないかと考えています。

 昨年度、田名地区の福祉事業所の連絡会に参加させていただいた時に長年この地域の福祉の発展に貢献されている法人から福祉現場での体験や交流を行ない、学校との協力のもと、子どものうちに福祉分野への関心を育てることが重要であり、大人はなかなか関心をもてないが、子どもに言われたら関心をもつものだ、とのお話があり、色々な人がいて、それが当たり前なんだ、という認識を子どものうちに育てることで大人になってからの人材へと繋げていくという考え方はとても共感しました。

 春となり、新しい人の出入りが起こる時期となりましたが、福祉業界は選択肢としてなかなか挙がりにくいのが現状のようです。どこの事業所も人材の確保を課題として抱えているの実情があります。
 しかし、だからと言ってサービスの質の向上を止めるわけにはいきません。そのためには人の数ではなく、今いる人間が人材として力を更につけること、人材不足であれば自分が人材になる努力をすることが人を呼ぶエネルギーにもなっていくのではないかと考えました。

 現状がどう苦しいという分析ではなく、その状況をどうやって発展させるかという知恵を出しながら、より魅力的な仕事場としてアピールして参りたいと思います。N

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